AI × AWS ナレッジ検索 MCPセットアップガイド
なぜこのMCPをセットアップするのか
AIツールは、学習が完了した時点までの情報をもとに回答を返します。そのため、AWSのように仕様が定期的に更新されるサービスについては、AIが保持している情報が最新の状態と一致しないことがあります。また、学習データに含まれていない細かい仕様については、根拠の薄い回答を返してしまう場合もあります。
AWSはこのサーバーの目的を次のように説明しています。
“A fully managed remote MCP server that provides up-to-date documentation, code samples, knowledge about the regional availability of AWS APIs and CloudFormation resources, and other official AWS content.”
(日本語訳:最新のドキュメント、コードサンプル、AWS APIとCloudFormationリソースのリージョン対応状況、その他の公式AWSコンテンツを提供する、フルマネージドのリモートMCPサーバー)
— AWS Knowledge MCP Server(awslabs/mcp)
このMCPを設定すると、AIはAWSの公式ドキュメントにリアルタイムでアクセスしながら回答を生成できるようになります。AIが持つ既存の知識だけに頼るのではなく、質問のたびに最新の公式情報を参照して答える仕組みが加わります。
たとえば、勉強中に同じクラスの友人に「この仕組みを教えて」と聞いたとき、その友人が数か月前に読んだ参考書の記憶を頼りに答えるのと、今まさに公式の教科書を開いて確認しながら答えるのとでは、返ってくる情報の正確さが異なります。MCPを設定する前のAIは前者に近い状態にあり、MCPを設定した後のAIは後者に近い状態になります。AWSは年間を通じてサービスの仕様を更新し続けているため、公式ドキュメントに基づいた回答を引き出せることは、研修での学習の質に直結します。
MCPとは
MCP(Model Context Protocol)は、AIに外部の情報源を接続する仕組みです。
今回は「AWS Knowledge MCP Server」というAWSが公開しているサーバーを接続します。サーバーのURLは以下の通りです。
https://knowledge-mcp.global.api.awsこれにより、AIが以下のことをできるようになります。
| できること | 例 |
|---|---|
| AWSドキュメントを検索する | 「VPCとは何か」を公式ドキュメントから調べる |
| ドキュメントのページを読む | 特定のサービスの説明ページを取得する |
| 関連するドキュメントを探す | 今読んでいる内容に関連するページを見つける |
| リージョン対応を調べる | 「Bedrockは東京リージョンで使えるか」を確認する |
このページでやること
AIツール(Claude、Gemini、ChatGPT)に、AWSの公式ドキュメントを検索する機能を追加します。使うAIツールに応じて手順が異なるため、自分が使うツールのセクションに進んでください。
使うAIツールを選ぶ
AIツールによって設定方法が異なります。自分が使うツールの手順に進んでください。
| AIツール | 必要なプラン | 設定の方法 |
|---|---|---|
| Claude Desktop | 無料プランでOK | 設定ファイルにJSONを書く |
| Claude Desktop (有料プラン) | Pro / Max / Team / Enterprise | 設定画面からURLを登録する(かんたん) |
| Gemini CLI | 無料 | 設定ファイルにJSONを書く |
| ChatGPT | Plus / Pro / Team / Enterprise | Web画面からURLを登録する |
Claude Desktop の設定
Claude Desktopには2つの設定方法があります。
- 無料プラン: 設定ファイルにJSONを書く方法(このページで説明します)
- 有料プラン(Pro以上): Settings → Connectors からURLを登録する方法(かんたん)
有料プラン(Pro / Max / Team / Enterprise)の場合
- Claude Desktopを開きます
- Settings → Connectors を開きます
- MCPサーバーの追加画面で、以下のURLを入力します
https://knowledge-mcp.global.api.aws- 認証方式は「なし」を選びます
- 保存して、Claude Desktopを再起動します(macOS: Cmd+Q → 再度開く / Windows: タスクトレイから終了 → 再度開く)
以上で完了です。動作確認 に進んでください。
無料プランの場合
無料プランでは、設定ファイルにJSONを書いてMCPサーバーを接続します。以下の2つの準備が必要です。
uvというツールをインストールする- Claude Desktopの設定ファイル(JSON)を編集する
ステップ1: uv をインストールする
uv は、MCPサーバーをパソコン上で動かすために必要なツールです。
macOS の場合:
- 「ターミナル」アプリを開きます
- Finder → アプリケーション → ユーティリティ → ターミナル、または Spotlight(Cmd+Space)で「ターミナル」と検索します
- 以下のコマンドをコピーして貼り付け、Enterキーを押します
curl -LsSf https://astral.sh/uv/install.sh | sh- インストールが終わったら、ターミナルを一度閉じて、もう一度開きます
Windows の場合:
- 「PowerShell」を開きます
- スタートメニューで「PowerShell」と検索します
- 以下のコマンドをコピーして貼り付け、Enterキーを押します
powershell -ExecutionPolicy ByPass -c "irm https://astral.sh/uv/install.ps1 | iex"- インストールが終わったら、PowerShellを一度閉じて、もう一度開きます
インストールの確認:
ターミナル(またはPowerShell)で以下を実行します。
uv --versionuv 0.x.x のようにバージョン番号が表示されれば成功です。
ステップ2: 設定ファイルを編集する
Claude Desktopの設定ファイルに、AWS Knowledge MCP Serverの情報を書き込みます。
設定ファイルの開き方:
Claude Desktopのアプリ内から開くのが一番かんたんです。
- Claude Desktopを開きます
- メニューバーの Claude → Settings をクリックします(Windowsの場合は左上のメニューからSettings)
- 左サイドバーの Developer タブをクリックします
- Edit Config ボタンをクリックします
ファイルが開きます。ファイルの場所は以下の通りです(直接開くこともできます)。
- macOS:
~/Library/Application Support/Claude/claude_desktop_config.json - Windows:
%APPDATA%\Claude\claude_desktop_config.json
ファイルに書く内容:
ファイルの中身を以下の内容にします。ファイルが空、または {} だけの場合はそのまま貼り付けてください。
{
"mcpServers": {
"aws-knowledge": {
"command": "uvx",
"args": ["fastmcp", "run", "https://knowledge-mcp.global.api.aws"]
}
}
}ファイルを保存します。
ステップ3: Claude Desktopを再起動する
設定を反映するために、Claude Desktopを完全に終了してからもう一度起動します。
- macOS: メニューバーの Claude → Quit Claude、または Cmd+Q
- Windows: タスクバー右下のシステムトレイにあるClaudeアイコンを右クリック →「終了」
もう一度Claude Desktopを起動すると、入力欄の右下にMCPツールのアイコンが表示されます。これが表示されていれば接続成功です。
動作確認 に進んでください。
Gemini CLI の設定
Gemini CLIは設定ファイルにURLを書くだけで接続できます。
ステップ1: 設定ファイルを編集する
~/.gemini/settings.json を開きます。ファイルがなければ作成します。
以下の内容を書き込みます。
{
"mcpServers": {
"aws-knowledge": {
"httpUrl": "https://knowledge-mcp.global.api.aws"
}
}
}ファイルを保存します。
ステップ2: Gemini CLIを再起動する
Gemini CLIを起動中の場合は Ctrl+C で終了し、もう一度 gemini コマンドで起動します。
動作確認 に進んでください。
ChatGPT の設定
ChatGPTはWeb画面からURLを登録するだけで設定できます。
ステップ1: Developer Modeを有効にする
- ChatGPT( https://chatgpt.com )を開きます
- 左下の自分のアイコン → Settings をクリックします
- Apps → Advanced settings を開きます
- Developer mode をオンにします
ステップ2: MCPサーバーを追加する
- ChatGPTの画面で「MCP servers」の設定を開きます
- 「Add MCP server」をクリックします
- 以下のURLを入力します
https://knowledge-mcp.global.api.aws- 認証方式は 「なし(No Authentication)」 を選びます
- 保存します
ステップ3: ページを再読み込みする
ブラウザでChatGPTのページを再読み込みします(F5キー、またはCmd+R / Ctrl+R)。
動作確認 に進んでください。
動作確認
設定が終わったら、正しく動くか確認しましょう。
- AIツールで新しい会話を開きます
- 以下のメッセージをコピーして送信します
Amazon S3のバージョニング機能について、AWSの公式ドキュメントから説明してください- AIがAWSのドキュメントを参照して回答すれば成功です
うまくいかない場合
このページ下部の トラブルシューティング を確認してください。
研修での活用例
設定が終わったら、研修中にこんな使い方ができます。
| やりたいこと | AIへの質問例 |
|---|---|
| サービスを調べる | 「ECSとEKSの違いをAWSドキュメントから説明して」 |
| エラーを調べる | 「EC2のStatusCheckFailedの原因と対処法を教えて」 |
| 設計の参考にする | 「Lambda関数のメモリ設定のベストプラクティスは?」 |
| リージョンを確認する | 「Bedrockは東京リージョン(ap-northeast-1)で使える?」 |
| 料金を調べる | 「S3のストレージクラスごとの料金体系を教えて」 |
トラブルシューティング
Claude Desktop: ツールアイコンが表示されない
以下を順番に確認してください。
uvがインストールされているか — ターミナルでuv --versionを実行して、バージョン番号が表示されるか確認します- JSONの書き方が正しいか — 下記の JSONの検証方法 を参照してください
- アプリを完全に再起動したか — ウィンドウを閉じただけではなく、アプリ自体を終了して再度起動してください
- ログを確認する — macOS:
~/Library/Logs/Claude/mcp.log/ Windows:%APPDATA%\Claude\logs\mcp.logにエラーの詳細が記録されています
Claude Desktop: uvx: command not found
uv はインストールされているが、Claude Desktopがその場所を見つけられない状態です。
- macOS: ターミナルで
source ~/.zshrcを実行してから、Claude Desktopを再起動します - Windows: PowerShellを閉じて新しく開き直してから、Claude Desktopを再起動します
ChatGPT: MCPサーバーが表示されない
- Developer Modeがオンになっているか — Settings → Apps → Advanced settings で確認します
- プランが対応しているか — 無料プランでは使えません。Plus以上のプランが必要です
接続がタイムアウトする
社内ネットワークやVPNを使っている場合、ネットワーク管理者に https://knowledge-mcp.global.api.aws への接続が許可されているか確認してください。
JSONの検証方法
設定ファイルのJSONが正しく書けているか、以下のコマンドで確認できます。
macOS(Claude Desktop の場合):
python3 -m json.tool < ~/Library/Application\ Support/Claude/claude_desktop_config.jsonWindows(Claude Desktop の場合):
Get-Content "$env:APPDATA\Claude\claude_desktop_config.json" | python -m json.toolエラーが出なければJSONの書き方は正しいです。エラーが出た場合は、カンマの付け忘れや括弧の閉じ忘れがないか確認してください。