概要
このカリキュラムについて
このカリキュラムは誰のためのもの?
この学習カリキュラムは、エンジニアとしてのスキルを高め、フリーランスとしても活躍できるレベルになりたいと考えている方向けに制作しています。その第一歩として現代のIT業界において必須とも言えるクラウド、特に最もシェアの高いAWS(Amazon Web Services)をマスターするための基礎カリキュラムです。
対象となる方:
- HTMLやJavaScriptなど、基本的なプログラミング言語を知っている方
- AWSははじめて使う方、またはまだよくわからない方
- 実際の業務で使えるクラウド技術を身につけたい方
- 従来のオンプレミス環境から、クラウド環境への移行を検討している方
- フリーランスとして活動する際の技術的な差別化を図りたい方
何を学ぶカリキュラムなの?
このカリキュラムでは、本物のECサイト(ネットショップ) をAWSというクラウドサービスを使って、ゼロから作り上げます。単なる静的なWebページではなく、商品の表示、ユーザー登録、注文処理、在庫管理など、実際のビジネスで必要な機能をすべて含んだ本格的なWebアプリケーションを構築します。 例えるなら、「オンラインでお客さんに商品を販売できるお店を、インターネット上に建てる」ということです。Amazonや楽天のような大規模サイトと同じ仕組みを、小規模ながらも体験できます。
学習期間中に作成するECサイトの主な機能:
- 商品カタログの表示
- ショッピングカート機能
- 注文処理* 決済機能
- 注文履歴の管理
- レスポンシブデザイン(スマートフォン対応)
なぜECサイトを題材にしているの?
1. 実際のビジネスに直結している
ECサイトは現代のビジネスに欠かせないものです。コロナ禍以降、オンライン売上の比率はさらに高まっており、今後もその重要性は増しています。学習内容がそのまま実務に活かせるため、投資した学習時間が確実にキャリアに結びつきます。
具体的な活用例:
- 中小企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)支援
- 既存の実店舗のオンライン展開プロジェクト
- スタートアップのMVP(Minimum Viable Product)開発
- 大企業のECサイトリニューアルプロジェクト
2. AWSの重要な機能を幅広く学べる
ECサイトの構築には、AWSの主要サービスのほとんどが必要になります。1つのプロジェクトを通じて、体系的にAWSの知識を身につけることができます。
基礎カリキュラムで学習するAWSサービス:
- コンピューティング:EC2、Auto Scaling、Lambda
- ストレージ:S3、EBS
- データベース:Aurora PostgreSQL、RDS
- ネットワーキング:VPC、ALB、CloudFront、Route 53
- セキュリティ:IAM、Security Groups、WAF
- 監視* 運用:CloudWatch、CloudTrail、AWS Config
3. 成果が目に見えてわかりやすい
「自分が作ったネットショップで実際に商品を販売できる」という明確なゴールがあるため、学習のモチベーションを保ちやすいです。進捗が視覚的にわかるため、達成感を感じながら学習を続けることができます。
段階的な成果の実感:
- ステップ2:自分のWebサイトがインターネットに公開される
- ステップ3:データベースに情報が保存される様子を確認できる
- ステップ4:複数サーバーでの負荷分散を体験できる
- ステップ5:世界中から高速でアクセスできるサイトが完成
4. 現実的な問題解決を体験できる
実際の開発現場で起こるさまざまな問題とその解決方法を、ECサイト構築を通じて体験できます。教科書的な知識だけでなく、実践的なトラブルシューティング能力が身につきます。
体験できる現実的な問題:
- 「急にアクセスが集中してサーバーが重くなった」→ Auto Scalingによる自動スケール
- 「画像の読み込みが遅い」→ CloudFrontとS3による配信最適化
- 「データベースの応答が遅い」→ インデックス設計とクエリ最適化
- 「セキュリティを強化したい」→ WAFとセキュリティグループの設定
- 「コストを削減したい」→ 適切なインスタンスタイプ選択とリザーブドインスタンス活用
- 「障害に強いシステムにしたい」→ マルチAZ構成と自動復旧メカニズム
5. 技術の組み合わせ方を学べる
実際の業務では、単一の技術ではなく、複数の技術を組み合わせてシステムを構築します。ECサイトという具体的なプロジェクトを通じて、「どの技術をどのタイミングで、なぜ使うのか」という判断力が身につきます。
学習できる技術の組み合わせ:
- フロントエンド(Next.js)+ バックエンド(Node.js)+ データベース(PostgreSQL)
- 負荷分散(ALB)+ 自動スケーリング(Auto Scaling)+ 監視(CloudWatch)
- コンテンツ配信(CloudFront)+ ストレージ(S3)+ セキュリティ(WAF)
6. ビジネス視点を持ったエンジニアになれる
単に技術を学ぶだけでなく、「その技術がビジネスにどのような価値をもたらすのか」を常に意識しながら学習を進めます。これにより、経営層やプロダクトマネージャーとの対話ができる、ビジネス視点を持ったエンジニアとして成長できます。
身につくビジネス視点:
- コスト効率を意識したアーキテクチャ設計
- ユーザーエクスペリエンスを向上させる技術選択
- セキュリティとユーザビリティのバランス
- スケーラビリティとメンテナンス性の両立
- ROI(投資対効果)を意識した技術導入判断
学習を始める前に
このプログラムは実践的な内容になっているため、手を動かしながら学習することが重要です。理論だけでなく、実際にAWSの画面を操作して、自分の手でECサイトを作り上げてください。
学習を効果的に進めるためのコツ:
- 各ステップの作業を必ず自分の手で実行する
- エラーが発生しても諦めず、ログを確認して原因を調査する
- 構築したリソースの料金を定期的に確認し、コスト意識を持つ
- 同僚や仲間と一緒に学習し、お互いに教え合う
- 学習した内容をブログやSNSでアウトプットする
準備しておくもの:
- ターミナル/コマンドプロンプトの基本操作知識
- 基本的なLinuxコマンドの知識
最初は難しく感じるかもしれませんが、ステップごとに丁寧に説明しますので、安心して学習を進めてください。完了する頃には、自信を持って「AWSを使ったWebサービス開発ができます」と言えるようになるはずです。
学習完了後のあなたは:
- AWS認定資格(Solutions Architect - Associate)取得の準備が整っている
- 中小企業のクラウド移行プロジェクトをリードできる