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AWS(Amazon Web Services)中級AWS 中級カリキュラム(スマートフォンアプリのバックエンド構築)概要

概要

このカリキュラムについて

このカリキュラムは誰のためのもの?

この学習カリキュラムは、エンジニアとしてのスキルを高め、フリーランスとしても活躍できるレベルになりたいと考えている方向けです。

対象となる方:

  • AWSの基礎カリキュラム(ECサイト構築)を完了し、ALB・EC2・Auroraによる三層構造を理解している方
  • HTMLやJavaScript、データベース操作などの基本的なプログラミング知識を持っている方
  • モバイルアプリケーションのバックエンド技術を学び、実際の業務で使えるスキルを身につけたい方
  • サーバーレスアーキテクチャやNoSQLデータベースなど、現代的な開発手法を習得したい方
  • フリーランスとして活動する際の技術的な差別化を図りたい方

何を学ぶカリキュラムなの?

このカリキュラムでは、位置情報を活用したO2O(Online to Offline)モバイルアプリのバックエンドシステム をAWSというクラウドサービスを使って、ゼロから作り上げます。このシステムは、スマートフォンユーザーが位置情報を共有し、近隣店舗の情報を取得したり、友人とのリアルタイムな情報共有を行うことができる本格的なモバイルアプリケーションです。

このシステムを身近な例で説明すると、デジタル版の地域掲示板のようなサービスを作り上げます。例えば、あなたが美味しいラーメン店を見つけたとき、その場所で写真を撮って友達に共有したり、「今ここにいるよ!」という位置情報付きのメッセージを送ったりできるアプリです。また、近くにいる友達同士でリアルタイムにチャットしたり、お店の混雑状況を共有したりすることも可能です。

従来のWebアプリケーションとは大きく異なる点として、モバイルアプリケーションはユーザー数の急激な変動に対応する必要があります。例えば、有名なイベント会場で多くの人が同時にアプリを使い始めたり、テレビで紹介された店舗に一斉にアクセスが集中したりする状況です。これは、お祭りの日に普段は静かな商店街に突然大勢の人が押し寄せるような状況に似ています。

また、プッシュ通知の大量配信も重要な機能です。友達があなたの近くにいることを知らせたり、気になっていた店舗でセールが始まったことを瞬時に伝えたりする機能です。これは、町内会の回覧板が一瞬で全員に届くような仕組みと考えることができます。

セキュリティの面では、ユーザーの位置情報や個人の行動データなどの機密情報を適切に保護する必要があります。これは、銀行の金庫のように、許可された人だけがアクセスできる厳重な管理システムを構築することと同じです。

このカリキュラムを通じて、従来のWebサイト構築で学んだ知識を発展させ、モバイル時代に求められる最新のクラウド技術を習得することができます。完成したシステムは、実際のスタートアップ企業が使用するレベルの本格的なモバイルアプリケーションバックエンドとなります。

なぜO2Oモバイルアプリのバックエンド構築を題材にしているの?

1. 実際のビジネスに直結している

現代のビジネス環境において、モバイルアプリケーションは企業の成長戦略の中核を担っています。特に、位置情報を活用したO2O(Online to Offline)サービスは、コロナ禍を経て急激に需要が拡大している分野です。

具体例として、日本国内だけでも多くの成功事例があります。メルカリの「メルカリNOW」では位置情報を活用した即時買取サービスを、Uber Eatsでは配達員とユーザーの位置情報マッチングを、PayPayでは近隣店舗での決済促進機能を提供しています。これらのサービスは、単なるWebサイトではなく、モバイルアプリケーション特有の機能(位置情報、プッシュ通知、オフライン対応)を最大限に活用しています。

例えるなら、従来のWebサイトが「お客さんが来店するのを待つ店舗」だったとすると、モバイルアプリは「お客さんのいる場所まで出向いてサービスを提供する移動販売車」のような存在です。この移動販売車は、GPS機能でお客さんの位置を把握し、音楽(プッシュ通知)でお客さんに気づいてもらい、その場で商品(コンテンツ)を提供できる高機能な仕組みを持っています。

フリーランスエンジニアとして案件を受注する際、「Webサイトは作れるけれど、モバイルアプリのバックエンドは分からない」という状況と、「モバイルアプリの最新技術も含めて一貫して対応できる」という状況では、単価や案件の選択肢に大きな差が生まれます。実際に、モバイルアプリケーション関連の案件は月単価80万円〜150万円の高単価案件が多く、Web制作案件の月単価40万円〜80万円と比較して明らかに高い水準となっています。

また、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進において、既存のWebシステムをモバイル対応させる案件や、全く新しいモバイルサービスを立ち上げる案件が増加しており、これらの技術を理解しているエンジニアに対する需要は今後さらに拡大することが予想されます。

2. 最新のサーバーレス技術を実践的に学習できる

このカリキュラムでは、従来のサーバー管理が不要な「サーバーレスアーキテクチャ」と呼ばれる最新技術を学習します。これは、まるで電気や水道のように、必要な時に必要な分だけコンピューティングリソースを使用できる仕組みです。

従来のEC2を使った構成では、24時間365日サーバーを稼働させ続ける必要がありましたが、サーバーレス構成では実際にアクセスがあった時だけ処理が実行されるため、コスト効率が大幅に向上します。例えるなら、マンションを丸ごと借りる代わりに、必要な時だけホテルの部屋を利用するような仕組みです。

中級カリキュラムで学習するAWSサービス:

  • API・認証:API Gateway、Amazon Cognito、AWS Lambda
  • データベース:Amazon DynamoDB
  • 通知・メッセージング:Amazon SNS、Amazon SES
  • 監視・ログ:Amazon CloudWatch

これらのサービスを組み合わせることで、従来のWebアプリケーション構成では実現困難だった、急激なアクセス増加への自動対応や、リアルタイム通信、プッシュ通知などの機能を実装できます。

3. 段階的に成果を実感しながら学習できる

このカリキュラムは、基礎カリキュラムで学習した知識を活用しながら、新しい技術を段階的に習得できる構成になっています。各ステップで具体的な機能が完成するため、学習の達成感を感じながら進めることができます。

段階的な成果の実感:

  • ステップ1(API基盤構築):スマートフォンアプリからアクセス可能なAPI基盤が完成し、実際にデータの送受信ができるようになります
  • ステップ2(ユーザー認証システム):ユーザー登録・ログイン機能が完成し、セキュアなアプリケーション基盤が構築できます
  • ステップ3(位置情報機能):ユーザーの位置情報を取得・保存・検索する機能が完成し、近隣ユーザーや店舗の情報を表示できます
  • ステップ4(リアルタイム通信):ユーザー同士のリアルタイムチャットやプッシュ通知機能が完成し、双方向のコミュニケーションが可能な本格的なモバイルアプリケーションが完成します

4. モバイルアプリ特有の課題を実践的に解決できる

モバイルアプリケーションでは、従来のWebアプリケーションとは異なる独特の技術的課題が存在します。これらの課題を実際に体験し、解決することで、実務レベルのスキルを身につけることができます。

体験できる現実的な問題:

  • 「イベント会場にいる数千人が同時にアプリを使い始めたらシステムが重くなった」→ Auto Scalingやサーバーレス構成による自動スケール対応
  • 「ユーザーの位置情報や個人情報が漏れたら大問題になる」→ CognitoとIAMを使った安全な認証システムの構築
  • 「友達が近くに来たことを瞬時に通知したい」→ SNSやWebSocketを使ったリアルタイムプッシュ通知機能
  • 「スマホの電池が切れたり、電波が悪い場所でもアプリを使いたい」→ オフラインデータ同期機能やローカルストレージの活用
  • 「大量のユーザーデータを高速で検索したい」→ DynamoDBのGSI(Global Secondary Index)やパーティションキーを使った高速クエリ

5. 現代的なアーキテクチャパターンを習得できる

このカリキュラムでは、単一のAWSサービスを学ぶだけではなく、複数のサービスを組み合わせた現代的なアーキテクチャパターンを学習できます。これらのパターンは、世界中の技術企業が実際に采用しているベストプラクティスです。

学習できる技術の組み合わせ:

  • サーバーレスアーキテクチャ:API Gateway + Lambda + DynamoDBの組み合わせで、サーバー管理が不要なシステムを構築
  • マイクロサービスアーキテクチャ:機能ごとに分離したLambda関数とAPIエンドポイントで、保守性の高いシステム設計
  • イベント駆動アーキテクチャ:SNSやEventBridgeを使った非同期処理で、システム同士の結合を疑結合化

これらのアーキテクチャパターンは、Netflix、Uber、Instagramなどの世界的な技術企業が実際に使用している手法であり、フリーランスエンジニアとして高い価値を提供できる重要なスキルとなります。

6. フリーランスとして重要なビジネス視点を習得できる

モバイルアプリケーションのバックエンド構築では、単に技術を習得するだけではなく、ビジネスの成功に直結する考え方や意思決定のプロセスを学ぶことが重要です。これらの視点は、フリーランスエンジニアとして高単価案件を受注する際に不可欠なスキルです。

身につくビジネス視点:

  • コスト最適化の考え方:サーバーレス構成での従量課金と従来構成での固定費を比較し、ビジネスステージに合わせた最適な構成を提案
  • スケーラビリティ設計:ユーザー数の成長予測やトラフィックパターンを考慮した、将来的な拡張性を考慮したシステム設計
  • セキュリティとプライバシーへの対応:位置情報や個人情報の適切な取り扱いや、GDPRなどの法的要件への配慮
  • パフォーマンスとユーザー体験のバランス:システムのレスポンス時間、バッテリー消費、データ使用量がユーザー体験に与える影響の理解
  • 運用・保守性の重要性:システム障害がビジネスに与えるインパクトや、監視・アラートシステムの重要性を理解し、適切な運用体制を設計

学習を始める前に

このプログラムは実践的な内容になっているため、手を動かしながら学習することが重要です。理論だけでなく、実際にAWSの画面を操作して、自分の手でO2Oモバイルアプリのバックエンドシステムを作り上げてください。

学習を効果的に進めるためのコツ:

  • 基礎カリキュラムの知識を積極的に活用する:EC2やAuroraで学んだ概念をサーバーレス構成でどう応用するかを意識しながら学習してください
  • 実際のモバイルアプリを想像しながら学習する:ご自身が日常使用しているアプリ(Instagram、Twitter、食べログなど)を思い浮かべながら、その背後の仕組みを理解してください
  • コストを常に意識する:各AWSサービスの料金体系を理解し、実際のビジネスではどう最適化するかを考えながら構築してください
  • エラーやトラブルを恐れない:サーバーレス構成では従来と異なるエラーメッセージが発生することがありますが、それらを解決するプロセスも重要な学習の一部です
  • 最新のドキュメントを参照する習慣をつける:AWSのサービスは頻繁にアップデートされるため、公式ドキュメントを確認する習慣を身につけてください

準備しておくもの:

  • AWSアカウント
  • スマートフォンまたはタブレット(テスト用のPostmanなどのAPIclientツールでも可)

最初は難しく感じるかもしれませんが、ステップごとに丁寧に説明しますので、安心して学習を進めてください。完了する頃には、自信を持って「モバイルアプリのバックエンドシステムをサーバーレス構成で構築できる」と言えるようになるはずです。

学習完了後のあなたは:

  • モバイルアプリ開発案件でバックエンドエンジニアとして活動できるスキルと実績を持つ
  • サーバーレスアーキテクチャの設計・実装・運用スキルを使って、高単価のフリーランス案件を受注できる
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